花火野郎の観覧日記2023

観覧日記その14 11/4
第92回 土浦全国花火競技大会

  
茨城県・土浦市

    

撮影場所

昇曲導付四重芯変化菊
高城煙火店

昇り曲導付四重芯変化菊
北日本花火興業

昇曲導付
四重芯パステル変化牡丹
株式会社斎木煙火本店

昇り曲導付き
三重芯パステル点滅
加藤煙火株式会社

昇り曲導付五重芯変化菊
響屋大曲煙火株式会社

昇曲導付四重芯虹色変化菊
武舎煙火工業株式会社

昇り曲導付虹色変化牡丹
有限会社六葉煙火

昇曲導付五重芯変化菊
有限会社菊屋小幡花火店

昇り曲導付五重芯変化菊
野村花火工業株式会社 

ワイドスターマイン
土浦花火づくし

ワイドスターマイン
土浦花火づくし

ワイドスターマイン
土浦花火づくし

スターマイン
夕暮れ〜素敵な夜を待ちわびて〜
野村花火工業株式会社

スターマイン
夕暮れ〜素敵な夜を待ちわびて〜
野村花火工業株式会社

スターマイン
水晶のプリズム
三遠煙火株式会社

スターマイン
追憶〜ティファニーブルーの輝き〜
株式会社和火屋

スターマイン
風神雷神
有限会社菊屋小幡花火店

スターマイン
風神雷神
有限会社菊屋小幡花火店

スターマイン
あなたを包むやさしい光
〜パステルカラーの花々〜
株式会社斎木煙火本店 
    
 昨年に続く通常開催。過去の事故を踏まえて、降灰が予想されるような位置を観覧禁止にしたり主催者はさまざまに対策をとったようだ。
 現着は昼前。今回は車の後部ハッチを開けた場所に三脚を設置という、なんとも横着な撮影だ。この場所付近には長年車を駐めているのだけれどこれまではそこで撮影することは考えもしなかった。桟敷裏の前日や早朝からの場所取りとか、長いことそれをやってきたけれど、疲れたのと、桟敷のある堤防道路とその裏の田んぼエリアはもう飽きるほど撮ったので、違う場所にしてみたかったのだ。三脚と一緒に椅子を出し長い午後を座して過ごした。というわけでメイン会場方面には一度も行ってない。仮設トイレもほど近かったので良かった。付近は車で乗り付けてそのまま椅子やシートを出して観覧というほぼほぼ地元客で夕刻にはいっぱいになった。日中は11月にもかかわらず季節外れの高い気温。夜もさほど冷え込まなかったが、夕刻からは軽い防寒装備。メイン会場から離れているが、FMの実況とかあるので進行には困らない。
 土浦は10月の第一土曜と決まっていたが、昨年から1ヶ月ずれての開催ということで、開始時間も17時15分と早い。スタートはレクチャー花火、花火師登場、標準審査玉(10号)と続き、ほぼ17時30分くらいから本競技の開始。
 それから順調に進んでいたがまだ序盤の、プログラム29番の堀内煙火の10号でまさかの黒玉が発生した。15段くらいの分火の曲導を引いて、開花位置に座ったと思ったら導火から火の粉を吐きながらそのまま落ちて地上で開いた。沈黙する不発の黒玉もあるが開発してしまうと面倒だ。
 そして安全確認のため競技はしばらく中断した。過去2回2年続けての途中中断の悪夢が頭を過ぎる。今回は地上で開発したので打ち上げ場所に広範囲に星を撒き散らすことになる。未点火の他の花火筒や配線に影響がないかどうかの確認。20分ほどして競技再開となり胸を撫で下ろす。それにしても土浦は呪われてるのかと思ったくらいだ。ベテランの煙火店がまさかの黒玉とか。土浦ではスターマイン競技は出品者自ら設置配線し点火も行う(花火玉はたいてい工場内で打ち上げ筒に装填済)。それに対し、創造花火と10号は茨城地元の煙火業者が一括して装填・点火している。黒玉開花は玉が悪いのか装填が悪いのかそれは今後解明されるだろう。しかし普通に打ち上がっているので玉自体の不良かと。
 後にニュース報道などでさまざまな角度からの映像を見るに、玉はまっすぐ上がってまっすぐ落ちている。ニュースでメイン側の塚田ポンプ場の屋上から録った映像を見ると開発位置はほぼ10号筒群が設置されているAEONの駐車場内。
 このような事故中断があると放送の聞こえないメイン観覧席以外ではFM実況が無いと花火が上らないまま何が起きているかわからないでただ待つだけになるのでどうしようもない。今ではすぐにスマホで調べるのか周りの多くの客ものんびり再開を待っていた。
 10号と創造花火までは1キロメートル弱。スターマインは500メートルほどか。それで画角は50ミリ前後で、遠い10号もスターマインもほぼこのくらいで収まって向きを変えるだけで1台のカメラで撮ることができた。ワイドの花火づくしも最初から真横方向とわかっているのでこれも縦位置。
 創造花火は遠いせいもあってほとんど撮らなかったけれど個人的に「おお、なるほど」と思ったのは準優勝に輝いた株式会社芳賀火工の「軌跡を見せます!!〜トライ&ゴール〜」。私はラグビーファンじゃないけど、「向き」の問題もあるがよくできていると思ったのだ。
 通しで観覧の結果からすれば、私の位置では風向きが厳しく、極めて撮影難易度も高く、かつ成果の上がらない番だった。日中の風向きが夜には変わり、打ち上げ中にさらに変わり、途中から私の位置からは散々だった。地上の風はスターマインの煙を短時間に流すほどの風力だったが、中盤からはスターマインの発煙が10号を隠してしまうようになった。しかも最初から地上付近と10号開花域では真逆の風。上空は南西の風。地上は東風。途中から上空は南東風。これだと桟敷側は終始良好だったと思う。しかし後でメイン側や他のアングルからの映像を見るとこの晩は湿度のせいかどうも秋らしい抜けの良い大気状態じゃなかったようだ。なんとなく発煙がまんべんなく大気に拡がっているというか。私もどうもすっきりしない夜空と思っていたし、現像すればどうしてこんな色になっているのかと感じたが、街の中心部を背景にしている位置だからと思っていた。
 開始当初は良かったが中盤を過ぎると湿度が上がったようでレンズが曇り出したので、ヒーターを用意する。ブリントアウトしてあったプログラムも湿気てよれよれになってきていた。
 10号競技を全て見て感じたのは、昨年の方が出来が良い玉が多かったなぁ、ということ。見る位置にもよるけど玉名通りの数の芯が出なかたり、盆が崩れていたり欠けていたり。昨年は遠間だったが久しぶりにスターマインを間近で見ると、設置面積が変わったせいか、コンパクトで多少の幅があるものの1箇所で全部打っているのと変わらないと感じた。そうなると玉が散らないのでひとところに重なってごちゃついた印象。見栄えがいまいちかなぁ。土浦は長いこと、「スターマイン日本一」を決める大会だと考えているが、玉数はともかく打ち上げ場所がコンパクトすぎる気がする。
 撮影最終が20時4分。それから片付けて車を出したが、これまでは片付けてメイン会場から時間をかけて引き上げてくるともうあたりの車は1台も居なくなっていたが、今回はそうはいかない。それでも詰まっていたのは最初の数100メートルだけであとはほぼ順調に帰れた。帰宅は22時30分。競技の結果は翌日発表された。
 
第92回土浦全国花火競技大会 
内閣総理大臣賞 群馬県 有限会社菊屋小幡花火店 
 
スターマインの部優勝 経済産業大臣賞 
玉名「風神雷神」群馬県 有限会社菊屋小幡花火店 
 
10号玉の部優勝 中小企業庁長官賞 
茨城県 株式会社山負潔ホ製造所 
玉名「昇曲付五重芯銀点滅」 
 
創造花火の部優勝茨城県知事賞 
秋田県 株式会社北日本花火興業 
玉名「夜空にしんちゃん!オラは人気者」 

 

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