花火野郎の観覧日記2024

観覧日記その5 8/3
第19回 古河花火大会

  
茨城県・古河市

    

ロケハン時の打ち上げ方向

撮影はこんな場所

三尺1発目

三尺2発目、田熊火工の千輪とコラボ

尺と三尺を重ねてみた
    
 7月は猛暑と仕事疲れで予定した大会を観覧に行く元気がなかった。長年の花火観覧で暑さには耐性がある方だと思っているが、暑いのが好きなわけじゃない。まして花火ならともかく、その暑さの中で労働などといえばなおさらだ。27日などはいろいろ予定してホテルやら列車やら予約していたのだけれど直前に全てキャンセルと、体力的に本当に消耗して「花火観覧なんてどうでもいい」と思ってしまった。とにかく身体を休めたかった。すごく永いこと花火観覧をしてきたが、どうでもいいと考えたのは初めてのことだ。
 そして27日の朝目が覚めるとそのまま起き上がる気になれなかった。花火を見て充電とか、リフレッシュとか、元気をもらうとか、実際に見ればそうなのだし、その効果も長らく経験してきた。しかし、もうその会場に行く気力すらないのだからどうしようもない。
    
 3日は古河市の花火をと予定していた。しかも遠望の三尺玉だけの狙い。その訳、あれはコロナ前の古河花火大会の晩。他の大会に行ったのか所用で出かけたのか思い出せないが、最寄駅を降りて、自宅方向へと道路を渡ろうとしたその時、道路の北側の延長線上、集合住宅に挟まれた彼方にちょうどラストの三尺玉が開花した瞬間を見たのだった。
 なんという偶然という以上に「え、ここからあれが見えるの?」とそのことに結構驚いた。駅前からはゆうに13キロメートルは離れていたからだ。それでも見えるのだから古河の三尺玉以外に考えられない。まぁそれを遮るほどの高い建物が古河市との間にないんですけどね。それでそのことがずっと気になっていた。その後古河の花火もコロナ禍で中止になったりして、もう一度自宅近くで三尺を見たいという願望は永いこと叶えられなかった。今回ようやくそれを実現した。しかしかつて目撃した駅前は工事中で使えず、もう少し高さのある見晴らしの良い場所を探した。もっとも高度がなくても少し北側に行けば彼方まで水田が広がるような場所なのでどこでも見えるのだろうけれど。
 候補地点は自宅から2キロメートルほど会場に近づいた他より少し視点が高い場所だ。間合いは約11キロメートル。
 その距離からして撮影は三尺玉狙い。もちろん古河の花火には他に良いプログラムがあるのもわかっている。しかしほとんど有料席化した面倒な大会会場に行く気がしなかったし、現在よりもっと規模の大きい600メートルワイドの時も既に観覧してしまっているので、古河に関しては会場で見るのは「卒業」と考えている。
 自宅から歩いて開始1時間前に撮影場所現着。事前にロケハンもして、花火がどこから出るかは地図アプリや距離測アプリを使った検証でだいたいわかっているものの実際に上がってみてから修正と考えた。もちろん画角も推測。この場所は眼下にJR宇都宮線が通っている。そのことも場所選びのポイント。花火の出る位置とJR線の位置でコロナ前から構図を考えていた。JR線を入れたかったのは自宅周り古河方向は集合住宅も少なく、まばらな戸建てと田圃、物流倉庫。ほぼ暗闇に花火になってしまうからだ。通過する列車の光跡を入れるため構図は横位置。この位置からは花火の手前、撮影場所に寄った方向に送電線が渡っていて、盆を横切ることが分かっていたが、それもスケール感を出す要素と考えた。
 スタートの19時20分をやや過ぎて打ち上げが始まった。花火の出どころはほぼ予想通りで、立ち位置の修正は必要なく、画角つまりどの範囲を撮るかの修正だけだった。風は東南東くらいか。しかしやはり尺が上がっても遠く、小さい。尺と思しき玉が上がったのを見て三尺玉はその倍の高さも上がらないだろうと、序盤に画角を決めた。120ミリくらいだった。縦で三尺玉だけ撮れば200ミリ以上だろうか。
 三尺玉は20時前とラストの2回。2発は無事に上がり打ち止めとなった。しかし写真を検証するまでもなく、三尺玉の実際は広報されているような600メートルの高さまでは上がっていない。尺が300〜330メートル上がるのを基準としてもとてもその倍も上がっていなかった。尺と三尺の設置位置がこちらから見て500メートルも離れていたとしても10キロメートル離れた場所からは誤差の範囲。三尺の盆は流石に大きいが、到達高度は尺の1.2倍程度しかなかった。
 周りでは付近の住民か、自転車でやってきて何人か見物人がいた。
 

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