
多重露光(複数回露光)の基礎テクニック
この方法はベテランを含めもっともポピュラーで、覆いについても各自思い思いに自作していることが多いようです。遮蔽紙といっても20センチ角もあればよく、ボール紙や段ボール程度の厚さで十分です。ただレンズに向く側は反射防止にマット状に(艶消し加工)して黒く塗る必要があります。これを左手に持ちシャッターのかわりに使うのです。ちなみにFPLで現在使用しているカバーは写真のように、茶筒の蓋のようなものです。これは所有レンズの最大径に合わせて作った自作品です。また日本ならではの素材は「団扇(うちわ)」でしょう。持ち手が付いているので、使いやすくまた本来の用途でも使えて一石二鳥です。| シャッターまたは遮蔽紙の開閉のタイミングについて 特に、菊や牡丹の割物花火を単独で、あるいは数発を散らして写す場合ですが、これまでは単に打ち上がったらバルブを開けて撮るだの、数発写したら閉じるのと曖昧に解説してきました。それは花火写真に容易に取り組めるという面を強調するためでありますが、もう少しつっこんで、では一発の花火について「いつ露光を始め、いつ閉じるのか」を考えてみます。 この時大切なのは、「肉眼で開花を見てしまってからでは、その花火を露光するには遅すぎる」ということです。 なぜそれでは遅すぎるのでしょうか?それは花火とは見たそばから消えていくものだからです。上空で玉が開き、それを見てから反射的にレリーズしたとします。この時点で、爆発した瞬間から、花が形作られるまでの光跡はもう写りません。消えてしまっているからです。極端にレリーズのタイミングが遅れれば、写像の上では中心部の無いドーナツ状の花に写っています。肉眼では目の残像作用で見えた気がしていてもカメラはそうはいきません。 もちろんこの写りを変に思わない方は気にすることではないでしょう。しかもスターマインなどの連発では、遮蔽紙などでコントロールしても、全ての打ち上げ玉にタイミングを合わせることはできません。 いずれにせよ中心のない花火画像は少々締まりのない姿といわねばなりません。菊や牡丹の割物花火を単独であるいは、数発かを一画面に写すとき、その写真を印象的に見せるためには爆発の中心が写っていることは非常に重要なことです。それはポートレートでいえば「アイキャッチ」の様なものと考えて下さい。目の中にキャッチライトが入るだけで表情がイキイキとしますね。 したがって一発の玉の露光開始点は、筒から射出された直後から開いてしまうまでの間です。シャッターを閉じるのはその玉の全ての星が消えたあとで良いでしょう。 |
![]() 爆発の中心が抜けた場合 =レリーズが遅れた ![]() 正しく中心が入った場合 |