花火大会に出かけよう!

 いつも花火というと、窓から眺める遠花火。ましてテレビ中継の花火大会じゃ、本当の花火の良さは一生わからないまま!なんてもったいない!でも暑いし、めんどくさいし、あの人混みが、というその気持ちよくわかります。でもだまされたと思って一度でいいからナマの花火の迫力を観覧席で味わってみて下さい。その日からきっとアナタは花火の虜です。(写真・シートを敷いて花火打ち上げを待つ=大曲全国花火競技大会)

その1 花火大会選び
良い花火大会の目安。
花火大会情報はどこから仕入れるか?
情報過多の弊害と自己確認
まずは地元の花火大会から
なるべく居住地域から出て足を延ばしてみよう。
ところで昨今の観覧事情。
花火大会の雑踏で事故に遭わないために。
その2 観覧場所選びのポイント
風向きが肝心
花火はどこに並べられているか=どこから打ちあがるか?
明るいうちに場所を決めよう
いつ頃出かけようか−出動タイムと混雑回避
こういう場所は観覧場所して不適当。
その3 場所取りの掟
その4 花火観覧のいでたち
その5 観覧の実際
花火大会のプログラム冊子について
プログラム冊子をゲットしよう
観覧の実際−美味しいところを見逃すな
その6 持ち物点検
その7 こんな点に気をつけよう
トイレはいつでも大混雑!
守るべきマナーとヒント
その1  花火大会選び
   
 他のレジャーと同様に、花火観覧にもある程度の計画と準備が必要。花火大会を選ぶこと。それに下調べなしに「フラッ」と出かけないこと。これが大切。花火観覧は最初に観に出かけた花火大会がその後の印象を決定してしまうからだ。最初にいい花火大会といい花火に巡り会えたなら、心に残る一夜になるけれど、逆に、ひどい混雑だし、花火は良く見えないし、なんてことになればサイテーの晩。もう二度とわざわざ出かけてまで観たいと思えなくなってしまう。はっきりしない情報で行き当たりばったりに出ていけば、どうやって行くの?どこで観るの?お店は?などと迷うことしきり。事前に問い合わせ先や情報誌などで調べてから出かけよう。
 昨今の花火大会は、とくに有名な花火大会でなくとも、その場所取りのスゴさは熾烈をきわめている。昼間からノンビリ待っていられる余裕のある人はともかく、たいていは人混みも雰囲気、てわけで相当混み始めてから出動するもの。こんな場合ほとんど会場に着いてから後悔する。
 とにかく花火大会で快適に観ようと思ったら、準備万端整えて、とにかく早めに行くっきゃナイ!」コレにつきるし、抜け道など無いのだ。もちろん資金に余裕のある人は桟敷席なり、有料指定観覧席等を購入するといいだろうと思う。交通機関は地方でなければ電車がやはりベターだね。
良い花火大会の目安。

 
良い悪いは個人の主観の問題。われわれ花火観覧マニアでさえ前評判や噂だけでは良い悪いの判断はできない。結局は観てみなければわからないものだ。そのうえでガッカリした、とか予想以上に良かった、などという意外性が楽しいものなのである。
 では満足度が高い花火大会、とはどんなものだろう。いくつか目安をあげてみたい。
尺玉などの大きい花火が上がること。
情報誌などに4000発とか10000発なんて玉数で規模をあらわしているけれど、このホームページの日程表では玉数は記載していない。なぜかというと数だけで規模はわからないから。それにこの「主催者発表」の玉数も「ン倍増し」になっているらしい、ことにそろそろ観覧客もさすがに気がつきはじめている。
 問題なのは数より個々の「玉の大きさ」。10000発とあっても、3号でそれだけなのか5号なのか。むしろ7号以上の大きな玉がどれくらい上がるか?に注目。一発の良くできた尺玉は100連発のスターマインに勝る、こともあるのだ。
複数の花火業者が担当している。
これはわかりにくいかもしれない。けれど一社だけだと最後までモタない。つまり同じ花火が何度も上がっちゃったりする、「あ、またさっきと同じ花火だ」ということ。同じ大会の中でも業者が変われば花火内容や組み合わせも変わる。その変化や比較も楽しんでしまおう。
なんらか特色、目玉のプログラムがあること。
「待ってました!」「コイツを観なけりゃ帰れない」という売り物、この花火大会ならでは、の目玉プログラムは欲しいところ。
広い観覧エリアがあること。
限られた観覧スペースに客が集中して大混雑、よりはやはりゆったりのんびりと寝転がって見られる場所がイイね。
交通機関などが便利なこと。
観覧場所へは最寄り駅などから近い方がいいし、願わくば一駅集中、などより分散して帰れるようなところが望ましいのだけれど。なにせそれでなくてもあの混雑なのだから。
花火大会の規模を決めるのはやはり予算?
何千発打ち上げより、すっぱり予算がナンボ、の方が花火大会の規模を把握しやすい。殺伐としているけどやはり予算は要。あとは予算を超える演出でどれだけ観客を楽しませられるか?というわけ。

花火大会情報はどこから仕入れるか?

 花火大会は情報戦といえる。最近は各種情報誌の花火特集やまた花火日程だけに特化したWebの情報が充実してきたので、まずはこれで十分。ただし情報誌は不毛の速報合戦がエスカレートしすぎて花火シーズンの7月半ばになるともう殆ど取り上げない。だからそろそろ花火でも。と思った頃には意外と情報が手に入りにくいので注意。買いそびれたらバックナンバーなどをあたってみよう。もちろん「日本の花火ホームページ」では年間を通してこうした花火情報を発信。
 最近では個々の花火大会の公式ホームページも充実してきたので、インターネットで事前情報を入手しておくこともできる。
 地元の花火なら自治体の広報や、新聞の折り込みなどに注意しよう。
 花火の大会(事前)情報とは、お目当ての花火大会がいつ、どこで、どれくらいの規模で何時から何時まで開催されるかといったことから、問い合わせ先、打ち上げ場所、周辺のロケーション、一般観覧席の所在地、桟敷席など有料観覧場所の有無、その花火大会の特色や最寄りの交通機関、下車駅、臨時ダイヤ、臨時駐車場の有無、その場所、交通規制などあらゆることに及ぶ。さらに遠方であれば宿泊の手配なども考えなければならない。
 
→昨今の観覧事情について 参照
 地元の花火大会じゃない場合は、情報誌の略地図だけでなく、あらかじめちゃんとした地図を見て会場付近の道路など道順についてチェックしておこう。加えてだいたいの観覧ポイントをいくつか決めておく。現地でウロウロ歩き回らなくて済むから快適だね。
 当日になって大切なのは、地元であっても実際に問い合わせて、実施か中止かの確認をすること。花火大会が中止になる場合は朝から相当雨が降っているか、打ち上げ時間に強風が吹いて著しく危険な場合のふたつが主だ。打ち上げ時間になっての雨くらいではたいてい強行してしまう。
情報過多の弊害と自己確認

 今や、一般の観覧客にとっては花火日程だけに特化したWebや各種情報誌は最大の花火情報のソースとなっている。これらのもたらした良い点は、開催地以外からの客を動員するきっかけとなったこと。地元以外の数多くの花火大会が実在することを広く周知させたたことがあげられる。
 ただし情報が多くなって弊害も生まれている。それは花火大会とは地元民へのサービスと考えている多くの主催者にとって、そうした多くの情報を得た地域外の観客が爆発的に集まってしまうのは大変な誤算であり、会場内や最寄り交通機関において危機的な状況を招いてしまっている大会もあるからだ。警察などの当局にとっても予想外の人出や交通量となればコントロールしきれない。
 こうした経験をした花火大会では、開催日を地域外に公開しない、マスコミなどへの情報提供をしない、といった措置をとっているところもあるくらいだ。
 また、それぞれの掲載内容が必ず正しい保証はない、という点にも気をつけたい。誌上の「間接的な」情報は、不正確な記載や誤報もあり、それがどれなのかは一般の読者にはまずわかりえない。書き手は花火や現地の観覧場所に詳しいわけではなく、電話だけで取材している場合も多いので間違いの発生率は高くなってしまう。主催の広報担当者にしても花火の専門家や愛好家は少なく、花火のことは花火屋に任せているといったところがほとんど。だから、4号玉を4尺玉と言ったり、つい景気良く10倍も多い打上げ玉数を口にしたりしてしまいがち。数値的な日程や、時間、玉数、電話番号などは裏がとれても、打ち上げ内容の大変な間違いには気が付くことはできないと思う。
 一般の方は花火特集の情報誌を同時に何冊も買うことは少ないだろう。だから一週でも早く書店に出した雑誌が売り上げの主導をとってしまうので、最近では情報誌やWebの日程も花火周辺の独自記事よりも、フライングに近い日程の速報性に重点をおいたものがあるので一般読者としては注意したいところ。こうした場合、主催者すら具体的に開催内容が煮詰まっていない段階で取材しているものも多い。だから必ず各自で、主催者に何度か直接確認をとることが必須といえよう。 
まずは地元の花火大会から

 もちろんいきなり花火の解説本や情報誌を読んで、有名な花火大会のハシゴをするのもいっこうに構わないけれど、まずは地元、郷土の花火大会に、実際に出かけるところから始め、親しむことをおすすめしたい。家の窓から眺めるだけ、音を聞くだけだった花火大会の会場に実際に出かけてみるというわけ。地元だけに、ご近所や、子供のクラスメートのご家族との交流など、花火を機会としたいつもと違った場所や時間での語らいも楽しみだ。お盆や夏休み、ということで帰省した懐かしい顔に出会えるしれないしね。そうして地元の花火を繰り返し観ることで、あなたの住んでいる場所で打ち上がる花火の特徴や、名物のプログラムなどがいつしかあなたの花火観の基本となって身に付くことになる。それが他地域の花火鑑賞をするときの大切な判断の基準になると思う。それから地元近辺の花火大会に範囲を広げていくと違いがよく分かると思う。
 一部の観光の目玉としている大規模な大会を除けば、花火大会はもともと地場のもの。開催地域住民のための地域限定サービスの年中行事だといえる。主催はその地域の自治体、スポンサーも地元商店会、商工会や地元企業、煙火業者も地元、観覧客も開催地域の住民、というわけだ。だからこれまでも、今現在も、多くの人々にとって花火大会は、住んでいる場所の近くで開催されるものを観るもの、というのがやはり普通だろう。

居住地域を離れて少し足を延ばしてみよう。

 熱心な花火好きでもなければ、自分の生まれ育った土地と他の場所の花火との違いを感じることができたのは、たとえば進学や就職などで上京したり、転勤で別の土地へ移ったり、Iターンで逆に地方に移り住んだりという機会を得た人たちではないだろうか。
 そうした人達は新天地で花火大会を観たときに、自然と自分の原体験の花火との違いに気が付くことになる。
 最初の段階としてそれは土地柄、風土によって違うのだと感じ、次には、業者の違い、作り手の違いであると気が付いていくだろう。地元の花火大会をしゃぶり尽くすのも大切だけど、次には他府県のなるべく色々な地域の花火大会へ遠征してみよう。地元の花火大会だけではわからなかった新しい体験が待っているかもしれない。
 打ち上げ場所(環境)が変わるだけで、これまでには見たことがなかった花火に出会えるかもしれない。大都市に住んでいると打ち上げ場所が狭いから尺玉ですらあまりお目にかかれない。周辺の他府県に行ってみると「大きな玉が上がる」だけで感動モノだ。
 海辺や湖周辺の花火大会なら珍しい水中花火が観られるかもしれない。山間部の花火大会では山々に反響する花火の音が圧倒的に素晴らしい。住んでいるところを離れれば、花火大会を担当している花火業者も変わってくる。これまでとは違った形や色使いの花火を発見するのも楽しい。 
ところで昨今の花火観覧事情。-とりわけ地方の有名花火大会への遠征について

 最近では(以前からそのような場所もあるがとりわけ)地方の有名な花火大会に行くのがだんだん困難になってきている。とくに問題なのが宿泊状況。もちろん寝袋、テント持参なら問題ないけれどね。
 花火大会の開催地というともともと、宿泊場所が少ないか、または人気が高くて永年予約状態、場所によっては常軌を逸した超高価格設定がされている場合もある。。
 近年は、大量動員が見込めるとみた鉄道会社や旅行会社が、そのパワーで宿泊施設を大量にキープしてしまうので、フリーの予約(最寄りのホテル等への直接予約や近隣地域で予約)はまったく効かない、という状態の花火大会が増えてきている。それならばいっそその手のツアーに参加してしまう方が、確実(宿と往復列車確保)でリーズナブルであるともいえる。これもひとつの選択肢として検討してみたい。
 ただしツアーを利用する場合も、添乗員任せでなく一観覧客としての自覚を持ち、個別に観に行くときと同様に雨具などの観覧のための必須の持ち物やマナーを心がけたいもの。

→花火大会の雑踏で事故に遭わないために-身を守る予防と対策を考える
     
その2  観覧場所選びのポイント
  
「風向き」が肝心
 
 
良い観覧場所?それはもう、花火が良く見える場所に決まっているが、真っ先に考慮しなければならない点は風。風向きが悪ければその場所では観られない。風下つまり自分に向かって風が吹いてる場所を避けるのは、当然ながら煙が来るから(写真右・風下になると……)。煙が花火の手前に来れば、肝心の花火が見えなくなっちゃうよ。そればかりでなく膨大な量の花火の燃えカスを浴びることがある。落ちてくる大量の燃えカスが見えにくいから無防備に目に入ってしまって大騒ぎ。
 ただし風向きは最も思い通りにならない要素のひとつ。会場到着時にベスト、と思って観覧場所を選んだのに、夜になったら風向きが変わってしまった、という場合もある。また地表近くと花火が開く上空とではまったく違った向きに吹いている場合もある。上空の風の状態を知るには、昼間から上がっている「呼び込み花火」を利用しよう。花火大会の開催を告げて日中「ドン、ドン」という音花火をあげるヤツだ。この時の煙の流れる方向や早さをよく観察しておこう。
  
花火がどこに並べられているか
  
 場所を決める上ではこれが次に大切。つまりどこから花火が上がるか?で、これがわからなきゃ風向きをみたところで場所を決めようもない。打ち上げ場所については、大会本部で関係者に聞いてみたり、プログラムで確認。地元の観覧客を探して聞いてみるのも確か。
 見晴らしの良い河川敷の会場だと、土手の上から花火の筒がたくさん並んでいる打ち上げ場所を見つけることができるだろう。
 良いお席は花火に近いほどいい、というワケじゃないので花火との「間合い」はお好み次第だ。近すぎると迫力満点だけれど首が痛くなるのが難点だ。目安としては打ち上げ場所から4〜500メートルほど離れた方が花火の形が良く解る。仕掛けなどをちゃんと観たいときはそれらに近い方がイイかもね。
 あと場内アナウンスが適度に(適度に!)聞こえるところだと、次に何を打ち上げるかなどの進行がよくわかっていい(実況の放送があれば)。
  
まだ明るいうちに場所を探して決定
 
 
開始まぎわや始まってからウロウロどこか空いている所を探す、なんていうのは申し訳ないけど大迷惑!今頃来て空いてるわけないでしょ!
 それと開始まぎわであたりが暗くなっている頃に、土手の上からその斜面の空いている場所を探すのは不可能。こうした連中が立ち止まって下を覗き込んでいるから土手上の通路はよけい混む。
 空いた場所を探すのならいったん河川敷に降りて下から斜面を見上げた方がよくわかるもの。で下から登るのが常識ってもんでしょ。斜面に座っていていきなり後ろからズカズカ降りてこられるのって危ないし不快。降りてくる方は、人が座っているから足下がよくみえないもの。うっかりシートを踏んだりすると一気にスッテンコロコロだ。人の習性としてこういうときにコケると必ず周囲の何かを掴む。巻き添えはゴメンだぁ! 

いつ頃出かけようか−出動タイムと混雑回避
      
 花火大会会場での混雑タイムのピークは、打ち上げ開始の1時間半前前後から、開始までの比較的開始時間が迫った頃。それ以前に会場に入っていれば、ある時間から客が激増するのが良くわかると思う。
 これは、電車などでやってくる地域外の観客に加えて、いよいよ地元組の出動時間帯に入るから。自宅から会場まで楽に徒歩で行けるような現地在住の客は、確保して置いた観覧場所に早くから来て座っていることは少ない。
 だから他地域から入る客はこの混雑ピーク時間帯を事前(事後はありえない)に回避する必要がある。
 事後がありえないのは、すでに満杯になった会場エリアには近づくことすら困難だから。
 花火はいいけれど、暑さや人混みが苦手、という方もいる。暑い思いをして押し合いへし合いに巻き込まれるくらいなら、家で遠花火を決め込むに限るというわけだ。
 花火そのものや打ち上げを取り巻く情緒的な夏風情は楽しいものだが、花火大会会場内や終了後の周辺道路や最寄り駅での人混みはとても快適と呼べるものではないことも確かだ。時には花火好きの身でさえ、観覧後の幸せな気分を根こそぎ吹き飛ばされるくらいの苦痛を味わうことがあるのだから。だからそうした混雑が苦手な方には、私は会場での観覧は無理におすすめできない。同様にお年寄りや小さな子供にとっては、人混みに揉まれることはなおさら身に堪えるところだろうしね。
 それでもあえて現地観覧を、という場合には、やはり混雑を回避する手だてが必要になってくる。地元の方なら帰路を急ぐ必要もなく、人並みが引けるのを待つことができるし、迂回したり裏道を通ったりして帰り着けるだろう。
こういう場所は観覧場所にふさわしくない。

通路や道路、駐車場、夜店、仮設トイレの近くなど
 
 大会中でも人が頻繁に行き来する場所、停滞する場所。落ちつかないし土埃が凄い。とくに河川敷へ降りる階段付近は絶対ダメ。始まってみると自分たちのシートの直ぐ脇がいつのまにか通路になってしまう、なんてのも良くある話。明るい内に現着して、人の流れ、動きを良く見て場所を決めよう。ただしトイレの近くは、好んで坐る人が少ないから逆に穴場ともいえる。風向きに(臭いがネ)注意して仮設トイレの裏なんかイイかもしれない。夜店の近くでは風向きに注意。花火は良好な風向きでも、夜店で焼く焼き鳥の煙が襲ってくるかも知れない。
 
強力な仮設照明灯の近く
 
 通路の端などに置いてある発電器付きの可動式照明器(投光器)のこと。右の写真にあるようなヤツだ。コイツには明るいうちから注意が必要だ。1灯辺りの明るさは400Wある(2灯式あるいは4灯式)。もちろん設置目的は観覧客の誘導用で、土手の上や夜店が並ぶエリアなどに設置されるが、安全確保の大義名分で打ち上げ中でも消さない場合が多く、たいへんな光量があるのでまぶしくて花火に集中できない。2001年の兵庫県明石の事故以来、警備増強で全国の花火大会会場や駐車場で設置台数が激増しているので要注意だ。その凄さについては 
こちら に事例写真があるので参照されたい。
 発電器の音もうるさいし、ガソリンまたはディーゼルによる排ガスも我慢ならない。近くに無くても観覧場所が決まった後、打上方向の視界に入る場所に無いかをチェックしよう。とくに花火の写真を撮る場合は大敵の一つだ。この投光器一発でものすごいゴーストやハレーションを食らうので要注意。
 最近はさらにこの投光器に樹脂の拡散カバー(照明器具のシェードのようなもの)を加えたぼんぼり型の新兵器(例・UFOバルーン投光器=ヤンマーの製品名)が登場している(写真右端)。楕円形の拡散カバーは未使用時には萎んでいるが、点灯時にはエアーを送り、中から膨らませるようになっている。
 本来は夜間の工事現場などで活躍する製品だが、このタイプこそ花火観覧客にとっては「悪魔の化身」とも呼ぶべき存在だ。従来型の投光器には光の方向性(一定範囲だけ明るい)があるのに比べ、ぼんぼり型では死角が無く、これ一発で360度辺り一面全方位にまんべんなく1キロワット相当の大光量をまき散らす(約100メートル四方は光の洪水)。とにかくこうした投光器の側には場所を取らないように注意したい。
    
放送用スピーカーの至近距離
 
 こりゃもうヤカマシイのナンの。とくに迷子や待ち合わせの呼び出しをガンガンとやる、発展途上の花火大会はとくにウルサイ。ほどよく進行アナウンスが聞こえる程度の距離を置きたいところ。
 
巨大建築用シートの周辺 
  
 あなたが家族や、カップル、少人数のグループであるなら巨大なシートを敷いてある場所の周辺は避けた方がいいだろう。きっと不快な花火の晩になってしまうだろう。ここに何十人座れるのだろう?と思うような超巨大ブルーシートは個人の持ち物ではない。たいてい、土建屋さんの宴会。企業の部課単位の宴会。近隣の飲み屋のお得意さま接待用。大学などの運動系サークルの宴会。など着座するなり酒が中心の大宴会が始まることは間違いなく、花火なんかそっちのけで周りの迷惑を考えない大騒ぎとなる。つまり花火を楽しんだりするには迷惑なだけであり、きっと嫌な思いをするだろう。
 
「立入禁止区域」
   
 文字どおり立ち入らないように。本来は花火の保安距離内である「危険区域」であることが基本になっている。河川敷などで、川を渡るのもなんのその、いかつい4WD車でズカズカ「立ち入り禁止区域」に入っていって観覧しているアウトドアごっこの連中も居たりするが、この領域内で万一のことがあってもそれはあなたの責任!風向きや、風の強さによっては観覧区域にだって燃えカスが降るんだから、「立ち入り禁止区域」は侵さないようにしたい。

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その3  場所取りの掟(おきて)
   
kenbutsu.gif 良さそうな見物場所が決まったら、シートを広げてさっそく権利「ココは自分の場所」の主張に入るのだが、あとで周囲の観覧客との無用のトラブルを避けるために注意したい点がある。
 まず、必要十分のスペース以上に占有しないこと。10畳敷にたった4人なんていうトラブルの火種は最初から作らないようにしたい。
 次に場所取りなら本来は花見でよくやっているように、1人でもいいから「誰かが居る」こと(写真下)が大切。レジャーシートに場所をとらせたり、道路にガムテープで囲いと名前を書いておく、なんていうのも問題アリ。人が「番」をしていることが大事。後から来た(心ない、か、ちゃっかり、か)人が先にあったシートを捨てちゃって、そこに自分のシートを敷き直しても、その場にいなかったなら文句も言えないよ。「そこは自分が取った場所だったのに」なんてだれも保証できないし。
  
 「場所取り」けっこう、それは早い者勝ちの世界だけれど、何週間も前からやる、というのが理不尽の極み。とくにそこが公共の公園や道路・通路などの場合は問題。
 そこで最近の先進の花火大会では「シートだけでの当日以前からの場所取りは禁止」あるいは当日でも「○○時以前の場所取り禁止」というところもあるから注意。こういう大会では主催者自らの権限でシートやガムテープを片っ端から撤去、処分するので掟破りには気をつけたい。
 道路や公園の通路やベンチに直接ガムテープを貼らないように。こんなのは常識なんだけれどねー?こういう客に限って自分では剥がしていかないんだよね。
  
その4  花火観覧のいでたち
    
 夏、花火、夕涼み、とくればやはり「浴衣」。花火観覧の正装はコレでキマリ。花火大会を風物詩としてみても夏の風景には欠かせない存在。やはり女性の浴衣が最高だけれど、カップルやグループで揃いのいでたちというのもキマる。男の方は相変わらずだけれど、女性ものは伝統的な柄をおさえながら、年々カラフルになっていて楽しい。

 ネット上の浴衣のページは少ないのですが、浴衣関連(カタログ、着付けなど)なら「日本の花火」内のリンク集
花火関連ファッション(ゆかたetc)・小物・関連商品でどうぞ。
  
その5  観覧の実際
    
花火大会のプログラム冊子について

 花火観覧に欠かせないのがプログラム冊子。打ち上げ内容と進行を事前に知るために必須のアイテムといえるよね。
 プログラム冊子はその内容によってピンからキリまで。内容は打ち上げ順番(進行)とそれぞれどのような花火を打ち上げるか、いったものがきちんと掲載されているのが基本といえる。
 花火好きにとって歓迎したいプログラム冊子は、こうした進行順はもちろんのこと、それぞれ割物なら個々の正確な玉名、スターマインならイメージタイトルなどが記載されているもの。そして担当煙火業者名まで記載されていれば文句なしの内容といえる。
 詳しい、あるいは親切なプログラム冊子は、花火の名前や、種類を実際の打ち上げと照らして理解することが出来るという点で、いわば花火に親しむためのガイドブック的な役割をしてくれるわけだ。進行に従って、実際の花火と見比べていけば誰にでも無理なく、形と名前が結びついていくだろうと思う。
 こうした内容充実のプログラム冊子が完備しているのは、なんといっても競技花火大会のそれだろう。エントリーする全ての煙火業者とその出品作の作品名が詳しく記載されているのが普通。
 プログラム冊子には、ほかにもその花火大会の歴史や沿革、会場案内図などが記載され、花火の見方や、競技会では審査方法なども含まれいっそう内容が豊富な読み物となっている。
 花火大会は多くの協賛企業によって成り立つのでその名称や花火のスポンサーの広告なども並んでいるのが普通。こういうのも土地柄が出ていて眺めるのが楽しい。
 近年ではプログラム冊子を有料とする花火大会も増えてきた。ただと思いこんで心外と感じる観覧客も居るようだが、一冊100円、高くても500円程度の料金は、ロードショーのプログラム冊子に比べてもさほどの負担ではないと思うけれどどうだろうか。その費用で、花火大会の協賛者の一人になっていると思えば実に安いものではないだろうか。
 では花火を知るのにあまり役にたたないプログラム冊子といえば、進行次第のみ、というもの。各打ち上げごとのスポンサー名は記されていても、肝心の花火については、◯◯号単発、◯◯号早打ち、大、中、小スターマインなどとしか書かれていないもの。花火の名称も分からなければ、その大会が観客にとって身近で親しみやすいとは感じにくいのが残念といえる。打ち上げ全体の割り振りや花火内容は業者におまかせにした、という好例というわけだ。もっともプログラムさえ作らない花火大会もあるのだから、あるだけマシな方といえるけれど。
 だから玉名や業者名が記載されているようなまともなプログラム冊子を持つところは、一つの主催者の意欲の現れで、少なくともある程度打ち上げ内容に期待できる花火大会といえるかもしれないね。
 さて終了後はそのプログラム冊子はぜひともゴミにしないで、もしその晩の花火に感動できたら、記念に大切に持ち帰って欲しいと思う。

プログラム冊子をゲットしよう

 われわれ愛好家は万難を排してプログラム冊子を手に入れるもの。一般的にプログラム冊子は大会本部や運営本部などで配布あるいは販売している。最寄りの駅頭などに販売所を設ける花火大会もあるし、待ち時間の間に行商?にやってくる大会もある。
 ところが最近は、地元にしか配布しないという大会もあるので注意。もともと花火大会は地元民対象のものであるからよそ者としては文句は言えないのだけれど、たとえば地域の新聞の折り込みとして予め各家庭に一斉に配布してしまう、というというような方法を使っている。プログラム冊子が無料の場合には、地域住民は確実にプログラム冊子を手にすることができ、主催者は会場への搬入や配布の手間が省け、ゴミも減るというわけで良いことばかりだ。
 ところが、こうなると当日は会場内のどこにもプログラム冊子を置いていないことになる。これが困った例で、よそからの観覧客は閉口するばかり。
 こうした経験をした場合は、次回は予め主催者に電話して、郵送(返信用封筒、あるいは切手同封など)してもらうように依頼するのが良い方法だ。遠方の花火大会に出かけるときに確実にプログラム冊子を手に入れるにはこうした方法がベストといえる。
 住処や職場が比較的花火大会開催地に近く、時間的に余裕がある場合は、下見をかねて当日以前に主催の役所や観光協会を訪れ、もらっておくのも良い方法だね。
観覧の実際−美味しいところを見逃すな

 花火そのものを見に来ているなら、できるなら事前に花火そのもののガイド本、情報誌、インターネットなどで予習しておけば楽しみが倍増。花火について少しだけでも知る、それが花火好きへのファーストステップといえると思う。
 打ち上げが始まったら、手に入れたプログラムと見比べながらじっくり観ていこう。プログラムを読んだりするためにも小型の懐中電灯は必需品というわけ。
 名前と形を照らし、いいの悪いの、失敗だ、と好きなことを叫んでしまおう。そしておおーっと感動したら拍手喝采を忘れずに。
 できればただ、ぼーっと眺めたり仲間内ではしゃいだりするだけでなく、一つ一つの花火をよく認識しながら観られれば最高。星の色合いや、動き、花火がどう開き、広がりそして消えるのか?ふと、そうしたことに気を止めたとき、そこから先にある無限の花火世界の入り口に立っているのかもしれない。
 プログラムもそろそろ半ばを過ぎると、花火大会後の混雑があるのでどうしても早めに引き上げる客がでてくる。とくにマイカーで来ている場合などは、帰路の渋滞が気になるのだろうね。「十分観たから、もういい」というところだろうか。
 惜しいことに、こうした方たちはその日のプログラムの「もっとも美味しい部分」を見逃している、という点でなんとももったいないといわざるを得ない。これって公開前から楽しみにしていたロードショー映画のラスト10分くらいを観ないで退場するようなもの。フツーそんことする人いる?花火だって観たいと思ったから暑い中をわざわざ来たんでしょ?
 たいていの花火大会では終了間際の5分から10分、といった時間帯が最も、華々しい打ち上げが期待できるゴールデンタイム。それまでポツポツといささか寂しい打ち上げが続いていたとしても、ラストくらいは一気に打ち上げて、盛り上がって終わる、というのが常。ラストの数分間は、その花火大会の最大の見せ場であるわけだ。もちろん最初から最後までドバドバ打てば申し分ないけれど、そうすればほとんどの花火大会は30分以内で終わってしまうかもしれない。予算内で限られた玉数で、できるだけ長い時間楽しんでもらいたい、というのが、せっかく暑い中集まってくれた観覧客への主催者や花火業者の「サービス精神」ということだからね。
 早めに席を立つのは自由だけれど、こうした気の早い客が次々と座ってい観ている客の前をよぎるので、最後までちゃんと観たい観覧客にとってもかなり迷惑といえる。緊急でもないのに中座して帰るくらいなら最初から花火会場に来ないでいいよ。
 ただし家族連れや仲間内で子供や、お年寄りのいる場合は、早めに切り上げることをおすすめしておきたい。
    
その6  持ち物点検−こんなものがお役立ち
   
 夏の花火大会は雷雨や夕立に突然見舞われることが少なくない。ところがこの時傘やレインコートを持っている人は意外と少ないんだね。せっかくの浴衣も土砂降りでは台無しだし、ズブ濡れではそれ以上観る気もしない。花火観覧も立派なレジャー。準備万端整えて出かけよう。
 観ながら、待ちながら飲食はやはり最大の楽しみ。最近ではクーラーボックスやキャンピングボックスに食べ物や飲み物をドッサリ用意する、完全武装の花火観覧グループが増えてきた。近隣の家族連れや仲間同士が多いが、待ち時間そのものを完全に楽しんでいる。なにより現地で買うより安いし。最近では大会会場近くのコンビニで弁当類を調達する観客が増えてきたのも見逃せない。コンビニを利用するならやはり早めに到着して買ってしまわないと後悔する。開始まぎわでは、道も混雑するし、たどり着いたコンビニでは品物が売り切れていたり店内激混み状態、うまく手にすることができてもレジは長蛇の列だ。
 もちろん昔ながらの夜店でタコ焼き派ももちろん健在。夜店をひやかすのもこうした「屋台でしか食べられない」食べ物も祭りの楽しみと雰囲気の一つ。
 それでは食料と飲み物以外の花火大会必携品のチェックをしてみよう。こうしてみてみると殆どキャンプやハイキングの持ち物と変わらないようだ。

花火大会のプログラム
 
大会本部や駅などで手に入る。
日除けの帽子や日傘
 
待ち時間中の日差し避け。
雨具(レインコートや傘)
 
夏はとかく夕立や雷雨にやられやすい。転ばぬ先の杖?
長袖のシャツやパーカー、カーディガンなど
 
夏だといっても川沿いなどの吹きさらしでは意外と冷える。風避けならビニールレインコートでも代用可。近所の花火大会や車で行くのなら、タオルケットや薄手の毛布があると便利。とくに子連れならタオルケットはなにかと欠かせないアイテム。
レジャーシート・建築用シート(あの青色の広いヤツ)クッション
 
敷物だが急な雨の時はみんなで被って避難する(ただし建築用などの大きいヤツ)。シートの四隅を固定するピンも忘れずに。
ヒヤロンなどの携帯急冷剤
 
待ち時間中の熱射病対策?
ウエットティッシュ
 
食事時はもちろん、仮設トイレ使用時には欠かせない。子供のおしりふきでも可?
虫よけスプレー、虫よけウエットティッシュ、日焼け止め、オイルなど
懐中電灯
 
これは必携品。やはり大型の光量のあるものがベター。
団扇(うちわ)
 
お好みで。
携帯ラジオ
 
花火大会によっては、FMなどでの実況中継や解説もあり。
gomibukuro.gifゴミ袋
 
もちろんゴミ入れだが余分があると便利。ゴミ袋といっても収集のときに出すための大きなヤツね。急な雨の時はバッグ類にかぶせたり、孔を開けてTシャツのように着るのだ(右図参照)。
スーパーの袋、ポリ袋多数
 
海辺、河原などの観覧の際、袋の中に砂や石を入れてシート四隅に置いての重石に使う。
携帯電話・スマートフォン、簡易無線など

 
グループで行くならはぐれたときの連絡用、後発組の現地誘導に各自が所持かな。
待ち時間のヒマつぶしグッズも忘れずに! 携帯カラオケ、携帯ゲーム機、本だテレビだ、なんでもOK。 
   
その7  こんな点に気をつけよう
    
トイレはいつでも大混雑!
            
 筆者など花火の撮影もする場合は、待ち時間中からなるべく水物を必要以上に摂らないようにしている。それは肝心の打ち上げ中にトイレに行くことを避けるため。もっとも夏の炎天下となる場合が多いのでそれでは脱水症状になってしまうので、ある程度水分は補給している。それでも開始時間が近づくほど控える傾向になる。もちろん筆者の場合は、ビールなど酒類も打ち上げ終了までは口にしない。花火観覧は待ち時間から打ち上げ終了までずっと野外で過ごすので、体調管理が実はもっとも大切なことだと思う。だから冷たい飲み物の摂り過ぎなどで、お腹を壊したりすることはもっとも怖いことなのだ。
 それでも生理現象だからトイレが避けられないとき、会場のトイレは同じ目的の客で大混雑になっているに違いない。どんな花火大会でも開始間際から打ち上げが終了するまで常設、仮設ともトイレは激しく混雑して長蛇の列になっている。自分の番が来るまでの所要時間を考えれば、数十メートルの行列の先にあるトイレは、数キロメートル先にある空いたトイレまで歩くのも同然。そうして一度トイレ待ちの列に参加してしまえば、そこが最後までその晩の観覧場所になってしまうと断言できる (花火大会が終わっても番が来ないことだってある)。
 トイレの場所を確認しておくのは大切だけれど、なるべく打ち上げが近づいてからはお世話になりたくないものだね。男はその辺でOKだからいいって?いや・・そういうものじゃないでしょ?
  
守るべきマナーとヒント
   
家族連れ、友人同士にかかわらず、はぐれたときのためにおちあう場所や時間を決めておこう。
電車観覧なら帰りの切符は絶対に着いたときに買っておく。
飲食物は持参するか、空いているうちに仕入れておく、なるべく席を立たないように。混んできてからは元の場所に戻れないかも。
忘れ物。  立ち去る前に足元や辺りを懐中電灯を使って見回してみよう。
ゴミは持ち帰る。場所取りのガムテープを剥がして帰る。 常識。花火翌日の花火会場は修羅場である。持ってきた物を持ち帰る。ゴミは出さない、指定場所に捨てる、だけでまったく汚れないハズなのに、である。
 それでは良いご観覧を。天候に恵まれ素晴らしい晩になることを願ってやみません。
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