昼の花火と夜の花火
●昼花火とは?
昼といっても花火大会にプログラムとして盛り込まれているものは、黄昏迫る頃の夕刻に打ち上 げられる場合が多いようです。暗くなってからの普通の打ち上げ花火を夜物または夜花火と呼ぶのに対して、昼物、昼花火として玉の内容によって区別しています。
昼花火の最も一般的なのは、運動会やお祭り、各種催し物や花火大会の開催を「ドン!」という音と共に知らせる「号砲(ごうほう)」「段雷(だんらい)」「万雷(ばんらい)」と呼ばれる音花火です。花火の中に入れる大きな音を出して破裂する部品を「雷(らい)」または「雷粒(らいつぶ)」といいますので名称はここからきています。
「号砲」号砲一発というように「ドン!」と一回だけの音がするものです。
「段雷」は「ドン!ドン!ドン!」何度か続けて音がするもので、三度の「三段雷」、五回なら「五段雷」と呼びます。雷粒の導火線の長さを変えて順次破裂するようになっているので時間差で音がするわけです。
「万雷」はやはりいくつかの雷粒を内包しているものですが、こちらは段雷のような時間差がなくいっぺんに破裂し、「ダダダッ」とか「パラパラパラ」と音がします。
音を出すと同時に赤、黄、緑、青、黒、白など様々な色付きのスモークがパラシュートに吊られてゆっくりと落ちてくる「彩煙竜-さいえんりゅう(写真上)」や色付きの煙が空中に枝垂れ柳を描くように落ちる「彩煙柳-さいえんりゅう」というものがあります。夜花火の「菊」は御馴染みですが、この花弁を煙で描く昼花火は「煙菊-えんぎく(写真下)」と呼ばれ、これも様々な色が付けられます。また最近では夜のポカ物でお馴染みの星が不規則に飛び回る遊泳星もの(飛遊星-ひゆうせい)も目につきます。
いずれの昼花火(昼物)も夕方近い空に映え、鮮やかに浮き立つように工夫されているものが多いようです。曇り空では少々冴えないし、また風も大敵といえましょう。昼花火はスモークの色や形態で空に描き出したイメージと玉の出来栄えを競うもので、様々なアイデアと技術が込められています。
このほかにも旗物や袋物、吊り物など伝統的な面白い昼花火にはたくさんの種類が在るのですが、残念ながら今日では、運動会のお知らせを除けば、ごく一部の花火大会、競技花火大会でしかも限られた種類しか見られません。
●昼花火が見られる花火大会
大曲全国花火競技大会(秋田・珍しい昼花火によるコンクール)
選抜中日花火大会(岐阜)
片貝まつり(新潟・全国でここだけの昼の三尺玉!)
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