昇り曲のいろいろ

昇り曲(のぼりきょく)
  
 昇り曲というのは、花火玉本体とは別に外側に小型の花火を装着し、本体と同時に打ち上げる上昇中の付加物です。開花するまでの上昇中に小花を開かせたり(昇小花付)、音を出したり(昇笛付・のぽりふえつき)という変化をみせる工夫です。こうした追加の花火全般を「曲」といい、これらが装着されている花火を昇り曲「付き」または「昇り曲導付(のぼりきょくどうつき)」というのです。ですからプログラムなどで、花火の玉名の頭に「昇り○○付き(八重芯変化菊)」「昇り○○(引先紅緑)」などとあれば、いくつかの小さな花火が、本体が花開くまでの間に展開して期待感を高めてくれます。
 昇り曲には様々な種類があり、これらは上昇中にも目を楽しませようという先人のサービス精神から生まれたものです。こうしたパーツを制作し付属品として取り付けるには手間がかかるので、凝った物は競技用の玉などに使われることが多いようです。以下にポピュラーな例をいくつか紹介します。これらは単独でもあるいはいくつかを組み合わせても使います。例えば下の昇り分包付きの玉の写真では10段合計20本の分包に加えて、昇り竜も取り付けられています。
        
raryup.gif rakobanap.gif rabunpop.gif
昇り竜付きの玉 昇り小花付きの玉 昇り分包(10段)付きの玉
昇り竜・昇り銀竜
(のぼりりゅう)
オーソドックスな曲で、太い尾を引きながら上昇するものです。その色が金色(錦)なら昇竜または昇金竜、銀なら昇銀竜、昇銀引(のほりぎんびき)などとよびます。
raginryu.gif 昇り分花
(のぼりぶんか)
下の分化とともに総じて「昇り分包・のぼりぶんぽう」と呼びます。紙パイプにいくつかの星を詰めた分包を何段にも重ねて装着します。左右に複数の星を飛ばしながら上昇します。
rakiba.gif
昇り小花
(のぼりこばな)
小さな小花が次々に開いて上昇します。それぞれの導火線の長さを変えることで、連続して開かせることができます。
rakobana.gif 昇り分化
(のぼりぶんか)
下の分花とともに総じて「昇り分包・のぼりぶんぽう」と呼びます。紙パイプに星や打星を詰めた分包を何段にも重ねて装着します。左右に星を飛ばしながら上昇します。
rabunka.gif
昇り置光月・置連星
(のぼりおきこうげつ・おきれんせい)
小さなパラシュートに吊り星を吊った物で、上昇中にほんのしばし星が夜空に漂って消えます。非常に手間のかかる曲です。
rakogetsu.gif

花火カタログの最初に戻る