花火野郎の観覧日記2024

観覧日記その4 5/11
第47回 妙高高原艸原祭・大かやば焼花火大会

  
新潟県・妙高市

    

 

 

 

 


 

 

 

 
    
 陽気が良いので仕事の疲れも癒したく、ドライブがてら信州を目指す。道中の車窓からは各地で新緑が美しく、見とれているうちに思ったよりずっと早く現着した。
 妙高高原艸原祭大かやば焼花火大会は、2005年に行って以来実に19年ぶり。その時の観覧記はHPにシークレットで掲載したので一般に読まれた方は少ないと思う(2005年観覧記を読む)。
 今年の開催要項を見ると内容的には大差ないと見た。以前には無かったが夜のメインのかやば焼点火のあたりで「スカイランタン放出」イベントが新規に入るらしい。前回は自由に観覧場所まで車を突っ込めたが今年は祭りのメイン会場である妙高高原ビジターセンターに至るあらゆる道路で交通規制し、祭り見物の車は池の平温泉スキー場の臨時駐車場に誘導していた。そこから無料シャトルバスが出るとのこと。
 そして午前10時30分過ぎに以前撮影した「いもり池」に現着すると、快晴の空の下、妙高山が眩いばかりの色とりどりの新緑を従えて聳え立ち、素晴らしい光景だった。とりあえず前回の記憶とロケハンの様子から撮影位置を割り出し、まずは仮三脚で場所取り。
 それにしてもいもり池に反映して妙高山が見事にシンメトリーに見える姿は感動した。前にも見ているはずなのに・・・・って見ていなかった。前回は妙高山の山体に到着時からずっとガスが沸いていて、山本体を終日隠してしまってしかも夜は厚い雲に覆われた。だから妙高山の全容はこの日初めて見たことになる。いく種類もの緑の色彩に彩られ、とにかく美しかった。池に浮かぶ葉はヒツジグサかな。群馬の尾瀬ヶ原でそれが咲くのは7月だからこの地ではまだ1ヶ月くらい先だろう。ストリートビューでこの地を見ると満開のヒツジグサが写っている。同時に紫陽花が咲いているからその頃かな。
 それから小一時間、いもり池周辺を散策し、全身に緑を浴び、撮影に夢中になったこの時間が、今日一番のリラックスタイムだった。湿原地帯では水芭蕉が見られたが、それより遅い開花のはずのミツガシワが満開だったから水芭蕉の時期は終わっているのかと。今年は桜をはじめとして全て早めに咲き進んでいるからなぁ。
 前回この待ち時間に車でロケハンしたので本日はひとところに腰を据えた。池端の店でビールを楽しみ、昼食をとり、車で仮眠したりで長い午後が思ったより早く過ぎた。
 妙高高原ビジターセンター近くが本祭りのメイン会場らしく出店も多く、そちらに多く観客が集まっていたようだ。私の近くで撮影したのは3人くらいで、他の撮影組はビジターセンター近くに多く集結していた。それというのもいもり池に映る花火、つまりリフレクション狙いである様だ。私はよく覚えていないがおそらく前回とほぼ同じくらいの位置どりだと思う。池面が穏やかなのでリフレクション狙いもわかるが、打ち上げ位置の標高がいもり池よりはるかに高い位置なのと間合いが遠いことで、ちょっとバランスが悪いと前回と同じ様に考えたのだ。
 機材を17時過ぎに運ぶ。日差しの強い日中でも高原の風はひんやり。花火の時間には冷えてくると知っていたので機材を運ぶときにはダウンまではいかないけど冬装備に着替える。今は無いのだけれど以前は池の近くに「足湯」のサービス(有料)があり、それでほかほかしてから撮影に望んだ、それくらい。
 カメラは1台のみ。花火まで1キロメートル以上の距離があるのと打ち上げ位置が高い点から無理やりリフレクション画を撮ったところで花火もかやば焼きもちっぽけになって、寂しいだけ。だからフレーミングは前回同様かやば焼と花火のみにした。
 花火はかやば焼の文字列よりもっとゲレンデ内で下の方に設置される。だから打ち上げ位置はいもり池の端からは木の影になって見えない。私は以前の経験から出る位置がわかっていたが、それでも定時雷を見逃さなければ出る位置は掴める。
 いよいよ19時、雷が上がったのを合図にまずはランタン打ち上げ。ランタンはいわゆる各地で見られるアレかと思ったがそうじゃ無かった。現代的というかおそらくヘリウムの入った四角い紙袋様のものに光源は燃える火ではなくバッテリー付きのLEDらしい。
 しかし。日没時間はこの辺りだと18時40分過ぎくらい。陽は妙高山の背後方向に沈む。前回は曇りだったのでわからなかったが、5月のこの時期、そう簡単に夜の闇が来ない。
 ほぼ同時にかやば焼きに着火。次第に燃え広がりそれは艸原祭の「艸」の文字を京都の大文字焼きのように浮かび上がらせるだが、その文字に向かってより正面向きの位置どりにもかかわらず、今回は艸の文字がそれとは読み取れなかった。日中に双眼鏡て眺めるとはたして「艸」の文字の形に既に用意されているのが見えたが、なんか形がなぁと思っていた。まぁ縦横300メートルもあるのだから毎回なんとなく違うのだろう。
 空が暗くなりきらないからランタンのその小さなLEDの灯りもパッとしなかったが、終了間際にはけっこうほの明るく光って見えた。面白いことに各地のスカイランタンと違って一定の高さ以上に浮かんでそこから飛散しないのだ。まぁ国立公園内に火のついた紙風船をばら撒くわけにはいかないからなぁ。なんか仕掛けがあるのか紐が付いているのか一定の高さ以上には上がらず、またその場所から動かないのだった。
 以前の自身の観覧記を再読すると、かやば焼の着火が19時10分頃、花火開始が19時20分頃とある。つまり今回はかやば焼きに着火してほどなく打ち上げも始まったのでトータル20分くらい早い進行。もう15分も開始が遅ければ全てがよく見えるのだがなぁ。まぁ開始が早く、日没方向のおかげか山の稜線が浮かび上がってくれたのはまぁ良しかと。
 というわけで終了間際までほとんど撮影できなかった。普通に5号1発を曲導から撮るだけでスチルでは頭をかかえるほど空が明るくなってしまって花火が映えないのだから仕方ない。構成は小玉の単発とスターマインをいくつか。10号は全体で5〜6発程度、フィナーレは斜め曲打ちも入った錦冠の量の多い大スターマインだった。最終カットが19時21分。その後、終了雷が上がったのを見て速攻で撤収する。カメラを乗せたままの三脚を後ろの座席に放り込みただちに車を出す。バラすのは途中のPAでゆっくりやった。快適に走り帰宅は23時20分。永い1日だったが随分癒された素晴らしい時間だった。
 

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