花火関連の文献・出版物リスト

 こちらでは花火関連メディア紹介に掲載したもの以外のメディアと過去に刊行された花火関連の出版物のリストを掲載しています。花火関連メディア紹介とは異なり、現在は入手困難または不可能な文献が多くなっています。その理由はおもに絶版によるもので、版元(出版元)に在庫していない場合を指します。
 こうした絶版となった文献は市場(書店-ネット書店含む)に現物が在庫として残っている場合があります。また古本市場を探したり、古書を扱うインターネットオークションなどでも希に見つかる場合があります。また国会図書館をはじめとする、各地の規模の大きな公共図書館、大学の図書館などで蔵書されていればの閲覧可能です。
●実用書
●写真集
●小説・ドキュメント
●詩歌集
●児童書

書名/著者
出版社
出版年
内容

実用書

泉谷玄作 花火-彩華が紡ぎだす四季のポエム
泉谷玄作著
祥伝社
2008 1,800円(税込価格)

 大曲、土浦、伊勢など有名花火競技大会をはじめ、全国67カ所の花火を紹介。「花火鑑賞の手引き」「花火写真の上手な撮り方」「主要花火大会一覧」など、巻末資料も盛りだくさん。昼花火、冬花火、など花火は夏の夜に楽しむものだけではないということに驚かされる。本書を持って花火鑑賞の旅に出るもよし、グラスを片手に絢爛とした世界に酔うもよし。(祥伝社書籍紹介まま)


花火の図鑑
泉谷玄作著
ポプラ社
2007 1,764円(税込価格)

 ポプラ社という児童向けの書籍を多く手がけている出版社からだが、児童向けとはとても思えず、私共花火マニアやプロの花火業者向けに出版されたのかと思うくらいに充実した内容だ。同じ図鑑のシリーズとして「星の図鑑」があるが同程度の厚さがある。すなわち同様な分量になるまで要素を詰め込んだ結果なのだろう。編集者が適切な取捨選択をするべきだった。夏休みの自由研究に役立てようという一般の親や児童、学童にとってはあまりに複雑で詳しく量が多い。基本は見て解るという作りで文章による記述は多くはないし、子供向けに楽しい誌面にしようと工夫されたと思うが、いかにせよ要素が多く、小さすぎる写真や図版が誌面サイズのわりにごちゃごちゃしている。花火大会の解説やプロの花火写真家にとっても難解な花火の撮り方など、子供向けの花火図鑑に不要と思える内容が多い。


日本カメラMOOK/日本列島 四季の花火百華
泉谷玄作著
日本カメラ社
2005 1,995円(税込価格)

 いったい著者と編集部のどちらが銘々したか、どうしたらこういう寄せ集めのタイトルを思いつくのだろうと苦笑してしまう。
「日本列島」花火紀行
「四季の」花火を見に行こう
「花火百華」
 と余所の編集者や著者が苦労して考えた既刊(絶版含む)の3冊の花火関連本、写真集のタイトルの寄せ集め合体。特に私の著書「花火百華」などは百科、百花など変えようもあるのに使用している字面まで同じ。タイトルを考えた者はこれらの本をネット検索すればついでに間違ってひっかかるという効果を狙った仕掛けをしたのだといえる。売れている商品によく似せたデザインのパッケージにして間違って買わせるのとよく似た行為である。
 表題と、表紙からはこの本が、How toものなのか、個人写真集なのか、花火解説本なのか花火めぐりの紀行本なのか性格がわかりにくい。カメラや写真関連の出版社であるだけに撮影解説と作例に徹しても良かったかも知れない。あれもこれもと盛り込んでいるのでお値打ち感は感じる。
「全国の花火の名所100選を厳選し、特色ある花火の紹介と地図によるガイド特集で構成しています。」と出版元の解説にあるが、下記の山と渓谷社の「日本列島花火紀行」のやったことを日本カメラ社に関わっている泉谷氏で焼き直しただけである。この本のためかどうかただの一度きりの撮影もあり、その100箇所について著者が最良の作品を追求したわけでもないのが残念。


花火の本/線香花火から、仕掛花火のスターマインまで
冴木一馬著
淡交社
2004 1,500円


日本列島花火紀行/冴木一馬著 
山と渓谷社
2001 1,500円
   
 21世紀の幕開けを飾るにふさわしい花火の本。春夏秋冬、日本列島でくり広げられる花火の数々を北海道から九州まで、臨場感あふれるカラーで120カ所紹介。花火と合わせて旅ができるように町のガイドや情報、詳しい地図も掲載。花火の種類はもちろん、その舞台裏までルポ。見て楽しめる実用性も十分のガイドブック。(山と渓谷社の宣伝コピーまま)


四季の花火を見に行こう/金久保茂樹/著 冴木一馬/著
株式会社講談社
1998/7 1890円(税込み)絶版
 
     


日本煙火協会30年史/武藤輝彦著
あずさ書店
1994
 
 日本煙火協会の成り立ちから関わった著者が現在までの経緯を資料と共に綴る記録史。

katakai.gif 花火に熱狂する町/渡邊三省著
野島出版
1994/8 2,200円 絶版
 
 掲載している写真ならびにドキュメントなリポートはただの一年一回かぎりの観覧であるが、片貝まつりの本質を文章で描ききった書籍としては現時点においても一番の内容である。

omagarishi.gif 大曲の花火小史
大曲市
1990/3
  
大曲市編纂発行による、発行年の1990年までの同大会の歴史と資料解説。

ogatsu_ichidai.gif 短気負けん気花火師一代/小勝郷右
柏書房
1990/7 四六判 1,300円 絶版 装丁は2種類在る。
 

oogatuu_sekai.gif 世界の空に花火を咲かせて─ 花火師ひとり世界冒険奮戦記
小勝郷右 著
かのう書房
1987/12  四六判 1,500円
 
 丸玉屋の花火師小勝郷右氏が世界各国での花火打ち上げの様子を語る。国による花火への人々の反応などが面白い。

senichiya.gif 花火千夜一夜─ひとときの夢を求めて
ジェー・アイ・シー・シー企画制作局
JICC出版
1984/7   AB判 2,000円 絶版
 
 大判で、各地の花火大会の豊富な写真で構成された花火解説図本。ビジュアルな内容的にはこの当時最良の一冊。

花火−火の芸術 花火−火の芸術/小勝郷右著 
岩波新書 No237 1983/7 430円 絶版
   
 結構以前からある解説本です。こちらも故人になりましたが、花火師さんが自ら書いた花火の本です。花火の種類やしくみ、歴史や打ち上げのエピソードなど、この一冊で花火の基本的な知識は十分です。花火のことをよく知りたいと思ったとき、新書の手軽さから永遠に入門書の一つであるといえましょう。

eguchi.gif 花火ものがたり─狼煙から現代花火まで/江口春太郎著
中日新聞本社
1982 1,400円 絶版
   
 花火愛好家・研究家でもある同新聞社の社員である著者による総合的な解説書。図版の多くを清水武夫氏の「花火の話」から引用しており、同書へのオマージュともいえる内容で、より一般的にかみ砕いた解説本。

花火の科学/細谷政夫、細谷文夫著 改訂復刻版
東海大学出版会
1999 2,000円
花火の科学/細谷政夫著
東海大学出版会
1980 1,200円 絶版
 
 細谷火工株式会社の細谷政夫氏による学術書。大部分は専門的な(化学・科学)であるが、玩具花火の開発経緯などのエピソードが面白い。

花火の話/清水武夫著  
河出書房新社
1976/7 980円 絶版
 
「花火の話」は花火そのものの技術、化学的解説専門書として国内外で評価が高く、海外の煙火関係者の間でも「ドクター・シミズ」の名で知らぬ者はなく、翻訳本は花火のバイブルとして世界中で愛読され続けている。

写真集
静岡県ふくろい遠州の花火―静岡県袋井市全国花火名人選抜競技大会/泉谷 玄作 (著)、 袋井商工会議所 (編集)
日本カメラ社
2006/7 1,260円(税込)
 
 静岡県袋井市が主催する、全国花火名人選抜競技大会「ふくろい遠州の花火」の参加作品を撮影した写真集。美しく華やかな花火写真の数々を、迫力満点で収録。大会の歴史や、花火製作の工程も紹介する(MARCデータベースより)。
 主催者である袋井商工会議所自ら編集に関わっていながら、自分たちの花火大会の良さをアピールするにはほど遠いビジュアルになっているのが残念。この著者は写真集を仕立てるには撮影回数が足りない。よくぞ「ふくろい遠州の花火」の名を冠する事を許したものだ。単に会場で売る土産物として商品が増えれば中味はどうでも良かったのかと悲しい。毎年開かれているアマチュアによる花火写真コンテストの入賞作品の方が各段に作品レベルが上であり、大会の魅力や花火の見事さをよく表現していると感じる。たったこれだけのページ数の中で製造工程を載せる必要があるのか疑問。

花火写真集片貝まつり世界でここだけの四尺玉/冴木一馬
ぶんか社
2003/5 2,000円
 
  NHK朝の連続テレビ小説『こころ』(2003/3〜9放映)の舞台になった、新潟県小千谷市の「片貝まつり」。ギネスにも載っている世界最大の花火・四尺玉で知られるこの花火大会の貴重な資料写真を中心に、日本各地28か所の花火大会の写真を収録 (放映期間以外はぶんか社の宣伝コピーまま)。

Fantasia(Postcard book) 花火、咲いた。/冴木一馬
ピエ・ブックス
2002/4 798円
   
 ページ1枚ずつを取り外してそれぞれがポストカードとして使える、というポストカードブック形式。30枚の花火大会写真絵はがきが綴られている。

kawauchi.jpg 花火(写真集)/川内 倫子著
リトルモア
2001/11 ¥1,890 (税込)
 
 正攻法で花火を撮りきっちり見せる、というよりは人の記憶や思い出の中の花火映像やイメージをおぼろげに温かく浮かび上がらせたような心象風景的写真作品。人は常に花火大会で、映画館で映画を見るように花火に真っ向から相対しているわけではない。殆どの観客はそうであるが、歩きながら、建物の陰から、あるいは今日は花火大会と知らずにふいに日常生活圏のどこかで花火が視界に入るとか、そういう見方もしている。そうしたかたちで目に飛び込み、心に焼き付けられた花火の印象を写した作品といえるだろう。

日本の花火/冴木一馬
光村推古書院
1997/7 1050円
 
 日本の「花火大会」を真正面からとらえたもので歓迎したい。冴木氏1997年までの10年来の花火撮影の成果として、活動拠点である関西地区を中心に全国各地で撮られた花火大会を、様々な視点で伝えようとしている。写真は正統的な花火大会の風景写真もので、いずれも会場の雰囲気を感じる佳作揃い。構成の上では写真ページ内にもたとえば玉の種類の解説が入るなど、写真集なのか図鑑本なのかがやや明瞭ではないが、花火の見どころや撮影の仕方などの記述もあり、楽しめる一冊となっている。報道写真畑出身の氏の視点は花火大会と時代のドキュメントという点では申し分無く、花火のあるニッポンの夏風景といったところだろうか。

dream.gif 散華花火-Dream/泉谷玄作
クレオ
1995/4 1,000円
   
 独自の撮影手法によるアート花火写真

flushdance.gif FLASH DANCE/泉谷玄作
カッパンプラン写真文庫
1993/7 1,000円
  
 独自の撮影手法によるアート花火写真

takesaki.gif 花火/竹崎 昭著
JICC出版 
1990/7 絶版
   
 超望遠レンズやアクアフィルター、回転など特殊技法・機材撮影による花火の写真。月刊アサヒカメラでは毎年違う特殊撮影法を連載するという形で、アート風花火写真を撮り、かつそれが花火でなく「○○」に見えるという「お見立て」写真を撮影する先駆者となった同氏の作品集。普通の撮影方法では飽き足らなくなった、或いは行き詰まったアマチュアカメラマンがこぞって追随したが残された物はアートではなく花火の無惨な残骸写真であった。一般にこうした特殊撮影はカメラとレンズだけでやるものだったのだが、氏は特殊な専用機材の準備からプロセスまでをオリジナルで追求したところが先駆であるといえる。

小説・ドキュメント
entsubura.gif 花火師/円つぶら著
光文社文庫
1990/8 420円 絶版
   
 長野の田村煙火店の花火師田村藤茂氏のドキュメンタリー小説。著者独自の軽快で歯切れのよい文体でテンポよく、かつ田村藤茂氏のひととなりが味わい深く描かれている。

senrin.gif 千輪の華/津村節子著
新潮文庫
1988/5 560円
  
 失恋・自殺をはかった主人公は女花火師としての人生に生き甲斐を見つける。

patric.gif 花火/パトリック・ドゥヴィル著 野崎歓 訳
白水社
1994/9 1,800円
   

花火の家の入口で 2,718円
吉増剛造 著 青土社 1995.12

やさしい花火 シベリアにねむる友たちへ 1,068円
上条さなえ 作 
岡本順 絵
PHP研究所 1994.9

うちゅうのはなび 力也の引力 1,748円
浅井力也 画
ひがしかわきぬこ 文
実教出版 1994.7

花火 作品集 1,942円
高橋玄洋 創樹社 1992.2

花火もしくは奈保子 短編小説集No. 1 1,455円
中関啓文 近代文芸社 1990.11

凍(しば)れる花火 1300円
西木正明 集英社 1988.10

青い華火 1,000円
平岩弓枝 東京文藝社 1987.1

6月16日の花火 1,500円
丸谷才一 岩波書店 1986.6

詩歌集
花火と時雨 季題十二か月 1,748円
大堀柊花 本阿弥書店 1995.9

遠い花火 詩集 1,553円
木津収二 著 葦真文社 1995.7

筆花火 母と吉語集 2,718円
二瀬西恵 木耳社 1995.6

花火 稲田鋭子詩集 1,456円
稲田鋭子 蜘蛛出版社 1994.8

冬の花火 墨詩まんだら 1,942円
中島教之 水書坊 1994.4

花火 真鍋呉夫句集 2,427円
真鍋呉夫 沖積舎 1993.6

歳月花火 寺田紋詩集 1,748円
寺田紋 近代文芸社 1990.7

音楽花火 1,700円
坂本礼子 牧羊社 1988.7

児童書
nezumihanabi.jpg さよならの日のねずみ花火/今関信子 作 おぼまこと 絵
国土社
1995/6 1,165円  絶版

はなびのよる 903円
梅田俊作 作絵 
梅田佳子 作絵
佼成出版社 1989.9

あがれ!大輪菊玉 980円
藤田博保 作 
太田大輔 絵
フレーベル館 1986.6
はなび 夏  1,500円
安全教育研究会 作
福田京二 画
ぎょうせい 1984.2

花火/沢田重隆 絵、小勝郷右 監修 
偕成社 
1983/8 1,800円 縦248ミリ 横272ミリ 絶版
    
 花火の色々、製造から打上、さまざまな花火シーンを克明な描写の絵で綴る。花火解説絵本。

popura.gif 花火をあげる/小勝郷右 著 
ポプラ社 
1981/6 980円  絶版
    
 花火師による児童向けに書かれた花火解説本。ひらがなが多用されているが、大人が読んでもけっこう専門的な内容である。

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