花火を写真に撮りたいんだけれど?難しそうで。
そうおっしゃる方はとても多いんです。これもよく聞かれる質問です。ここで「簡単、かーんたん!」などと言ってしまうと「また、いーかげんな」と誤解されるので、「難しくはありません」と言うことにしています。実際、花火をカメラを使って写すだけのことは「なーんだ」というほどのものです。これから花火の写真を始めよう、花火を写真で撮ってみたい、という方はまず「花火撮影テクニック」の初級編からご覧ください。で、とりあえず撮り始めてみてください。
なんか特別なカメラで撮るんでしょ?
最近は花火の写真もまさに百花繚乱。なかには「特殊な撮影機材」を用いての前衛派もあります。こうした特殊な例を除けば、「花火の写真は普通のカメラで」撮っています。カメラは何でもいいのですが(デジタルカメラ含む)、バルブ撮影機構(シャッターボタンを押した間だけ任意の時間、シャッターが開きっぱなしになるという機構)が付いていなければなりません。オートフォーカスカメラはマニュアルモードで使用します。ごく普通の35ミリ、ズームレンズ付きオートフォーカス一眼レフカメラでいいのではないでしょうか。もちろんデジカメでもOKですが、シャッター速度などが自由に設定できる程度の機種である必要があります。カメラは手持ちではなく三脚に固定して撮影します。
花火会場にはいつ頃(何時頃)でかけたらいいだろう?
それはもう早いにこしたことはないんですけれど。撮影の為に花火会場へ、ということになると「観れれば良い」というわけにはいきません。その花火大会でしかるべき「作品」を撮ろうというわけですよね。そのために適切な撮影場所を現地で検討したりする時間も必要ですから可能な限り早めに出動しましょう。目安としては花火打ち上げ開始の最低3時間前までに既にいつでも撮影可能、という状態になっているのがベストでしょう。3時間前に到着してそれからウロウロ撮影場所を探す、というのではありませんよ。もちろん何度も出かけていて、勝手がよくわかっている地元の花火大会などではもう少し余裕をみて出かけられると思います。
何秒くらい(何分の1秒)くらい開けてるの?絞りはどれくらい?
来ましたね。これがまさに最も多い質問です。写真の知識や経験、機材がそれなりにある方で、花火は初めて、という場合に必ず生じる疑問でしょう。全ての答えは「花火撮影テクニック」内にありますが、ここでも簡単に説明しましょう。
レンズは何ミリくらいのを用意したらいいんだろう?
普通の、私が撮っているような正統派の花火写真では、使用するレンズは一般に50ミリ以下(銀塩35ミリカメラ換算以下同様)の標準から広角側がほとんどです。上限は70から85ミリくらいで、広角側は28ミリくらいまで、というのが平均です。もちろん場所によって、撮影意図によってさらに広角、あるいは望遠側を使うこともあります。つまり花火撮影に使用するレンズは28か35から70や85までの範囲にその使用頻度の全てがあるといえます。すなわちこの範囲をカバーするズームレンズがあればOKということですね(銀塩:35〜70、28〜85 デジタル:17〜55、17〜85ミリなど)。
フイルムは何を使えばいい?
一般的には普通のネガあるいはポジフイルム(カラースライド)を使用します。感度はISO50〜100のものがよく使われているようです。もちろんメーカーなどは各人のお好みでどうぞ。花火自体は最近はとても明るいので、ISO400などのハイスピード(高感度)フイルムを使わなくても十分に撮影できます。むしろハイスピードを使うことで色が飛んでしまう恐れもあります。
写真ができてくるといつも画面から外れてしまっているんだけれど。
花火大会の花火はある意味では生き物のように、夜空に開く位置を変えてしまいます。同じ場所にある筒から打ち出される玉は、夜空の同じ場所で開きやすい、ものです。しかしながら花火は必ず垂直に昇るわけではなく、前後左右にある程度のブレがあるといえます。ある程度風が強い時などはとくに流されて大きく打上場所からズレたりします。したがってある瞬間の花火だけをファインダーで見て、「あとはこのフレーミングでOK」という具合にはいきません。スターマインなどではいくつかの花火が画面外に出るのはあまり問題ではありません。しかし一発二発の花火を綺麗に画面に収めるには常に「何処へ飛んでいくか?」を気にしてフレーミングを微調整しましょう。「フェイルセイフクラス(失敗編)」参照。
スターマインを撮ると画面が真っ白に。
短時間に大量の玉を打ち上げるスターマイン(速射連発花火)では、夜空の同じ様な場所で一度に、または切れ目なく花火が開きます。結果としてどうしても露出オーバーになりやすいわけです。スターマイン撮影を苦手とする人が多いのはこのためです。1〜3秒程度の短いカット割りで撮っていくのも大切ですが、多種の玉が画面を混乱させすっきりとした写真になりにくいのも問題点です。
撮影中の不意の雨(夕立など)にはどう対処する?
えーと、まず傘をさします。…………(^^);;;。それよりまず花火だけに夢中にならずに、風向きや、雲行きなどにもたえず注意しましょう。で、ヤバそうな(降りそうな)感じを早く掴むことが大切です。そのうえで必要な雨具は早めにバッグから出して用意しておきましょう。よく何時間も前から三脚にカメラをのせてスタンバっている愛好家を見ますが、待ち時間にも雨が来ることを考えるとあまり感心できないようです。
うまく撮る秘訣は?
場数と経験です。というのも不親切ですね。もちろん場数と経験だけで、有る程度上達することが可能です。しかしある時点で、向上の壁にあたり、特殊なテクニックや機材に走るアマチュアが多いのです。そういう方たちは「写真技術の上達」ばかりに没頭し、肝心の被写体を見ていない、という点が共通しています。花火を撮ろうとしているあなたは花火に感動したのですか?花火が好きなのですか?花火に関心や興味がありますか?まずそれを自問してみて下さい。花火という題材の中である程度良い作品を撮りたいならそのことはとても大切なんです。場数や、「花火の写真はこういうもの」という固定観念で撮っていた花火の写真はもう旧すぎる概念です。花火の写真らしい作品は撮れるでしょうが、感動する作品にはなりません。
花火の写真集、撮影ガイドとかあるんですか?
はい、けっこう出ていますよ。一応私の作品集は礼儀上最後に紹介しますね。以下のような作品集が出ています。また花火写真付きの花火解説書も参考になると思います。発行日などは不明なモノがあります。現在手に入るかはFPLでは確約できません。ただし古いものは絶版の可能性があります。なにやら昔一万円以上の写真集もあったのですが私の手元にはありません。このうちいくつかは「花火関連メディア紹介」で案内しています。| タイトル | 著者/写真家 | 発売元 | 発行年 |
| 心にひびく-ふるさとの花火 | 早津明彦 | 早津明彦写真事務所 | 2004 |
| 夜空に咲く幻想の花-花火 | 2000 | ||
| Hanabi | 後藤芳次 | 株式会社グランドストアー カネトク発行 |
1994 |
| 心が躍る花火と夏祭りの撮り方 | 泉谷玄作/小野里公成/ 冴木一馬/井上 明 |
世界文化社 | 2000 |
| 日本の花火 | 小野里公成 | 筑摩書房 | 2007 |
| 土浦全国競技花火大会写真集 | 土浦市 | 2003 | |
| 長野の花火は日本一 | 信濃毎日新聞社 | 2001 | |
| 花火百華 | 丸善株式会社 | 2000 | |
| 大花火-CD-ROM写真集 | シンフォレスト | 1999 | |
| 花火大会に行こう | 新潮社 | 1997 | |
| ドン!と花火だ | 三空出版 | 1994 | |
| 花火讃歌 | 光村印刷株式会社 | 1992 |